左手に採石場を見つつ、県道を北へ上がると鍋割峠だった。峠の左手に大きな作業道がある。採石場から石を運び出すための道路のようだが、同時に金山の北側を通って豊橋方面に抜ける作業道でもある。その道をしばらく歩くことになる。
最初は採石場の中そのものなのだが、じきに敷地を抜け、林の中の道になる。「金山、雨生山」の道標もある。後は淡々と作業道を歩くだけである。
しばらくは緩やかな登りだが、やがて傾斜が少し出てくる。道にもカーブが付き始める。そのカーブがなくなり、道が南を向く。標高300m少しの地点である。左手(東側)に山道が分かれ、「金山、雨生山」の道標がある。金山から雨生山への縦走路の起点である。
山道を登っていく。うまく付けられていてハイキングコースである。傾斜が緩み、尾根に入り、少し西へ進むと金山の山頂だった。三角点(423.6m、点名は福長村)がある。
山頂の北西側は伐採され、草もなく、平にされている。その伐採の間からかつて東京からの帰省時に立ち寄った本宮山が大きかった。調べると、金山には反射板が設置されていたようだ。その反射板が撤去されたようだ。
山頂で小休止しながら雨生山まで縦走するかどうか考えたが、時間が足りない。これも後から調べたところ、縦走した後でタクシーを呼べば何とかなったようだが。
次に考えたのは、金山から戻るルートである。登りに確認したところ、しっかりした道がありそうだった。それに同じ道を引き返すのも芸がない。そこでヤマレコに示されている尾根伝いのルートに決めた。少し気になったのは途中から小さな谷に入ることだった。
山頂から東へ少し戻り、登ってきた道を左手に分け、尾根を下っていった。いい道でルンルンだったのだが、標高350m付近で採石場との境界が近づくと、踏み跡が右(南)に折れた。大きな段差があるので、それを乗り越えると小さな谷沿いの下り道になった。ロープが設置されている。よく使われているのだろう。
「仕方ないか」と谷沿いのルートに入った。入口には赤いテープもある。
最初は谷沿いの踏み跡もそれなりに明瞭かつロープもあるので下りやすかったのだが、そのうちロープの上に比較的大きな石や枯れ枝の被さる箇所が多くなる。赤いテープもなくなり、不明瞭な踏み跡の上の大きな石が邪魔になる。
最後は谷に少しだが水が流れるようになり、その流れが古い鉄条刺で囲われるようになった。谷には岩も見える。そこで谷を巻くように北側の山腹を歩いた。薄い踏み跡を追うと、眼下に県道が見えた。歩いてきた山腹と道路の間にはギャップがあるものの、崩れた土の上に歩いた跡あった。古い鉄条刺も踏まれ、簡単に抜けられた。
金山へのかつての登山道は尾根伝いだったのだろう。それが採石よってなくなったため、ルートがすぐ横の小さな谷沿いに移されたと思える。
県道に出れば、後はそれを歩くだけだった。車が少なく、歩きやすい。平地に出ると、三ヶ日のミカン畑が広がっていた。背後には扇山と、瓶割峠から金山方面の山並みが続いている。三ヶ日駅が近づくと富幕山の山頂も姿を現した。三ヶ日の神社を見つつ、駅に戻った。
写真は順に、瓶割峠の上から見た金山、金山山頂、金山から下りである(尾根からの下り口を振り返った)。
2025/01/25