川北英隆のブログ

ルーブル美術館値上げに思う

ネットニュースを見ていたら、ルーブル美術館の入館料を値上げすると、フランス大統領のマクロン氏が表明したとか。現在の入館料は22ユーロ(3600円程度)らしい。値上げの対象はEU域外からの来館者であり、26年1月からの予定とある。
同時に大規模な改修をするそうだ。美術館の許容限度を超える来館者があるため、作品の維持管理が危機的状況に瀕しているらしい。また超人気のモナリザの鑑賞には特別料金を考えているとも。入館料の値上げによる増収分は美術館改修の財源になるようだ。
このニュースを読んで思ったことがいくつかある。
1つは、そんなに高いのだと。維持管理に大変だろうから仕方ないか。
2つには、EUとそれ以外の国・地域との差別料金制である。EU圏はインフラ面で共同体制にある。共同体制内にあるかないかで差別するのは当然だろう。
3つに、モナリザの特別料金も仕方ないかと思う。警備の強化も必要だろうから。
翻って日本政府に見るに、フランスのような大胆さというか当然の知恵が不足している。インバウンドだと叫び、海外からの観光客の増加を喜ぶだけで、インバウンド公害への対応策がない。地方や観光地に任せっきりである。インバウンドを一大産業にしたいのなら、それなりの投資が必要となる。
大きな荷物を抱えた(引っ張った?)観光客で大混乱するターミナル駅や新幹線をどうするのか、「どうしてくれるねん」ということである。観光により寺社や自然環境も劣化する。とりあえずはゴミや糞尿(トイレ)対策が切実となる。
そのマクロン氏、フランス国内では不人気らしいが、もしも日本の政治家がフランス大統領ならどうなるのか。1日にして馬脚が現れ、「クビ」運動が勃発すること間違いなしと考えていい。

2025/01/29


トップへ戻る