川北英隆のブログ

ホンダと日産が破談か

ホンダと日産の経営統合が破談の可能性と報じられている。ホンダが日産に対して子会社にしたいと申し入れ、日産が反発しているらしい。やはり油と水だったような。
最初の構想では両社ともに経営権を維持し、新たに設置する持ち株会社にぶら下がる構想だった。その条件として、業績が急速に悪化している日産の抜本的リストラがあった。リストラしないと、共同持株会社全体の経営の足を日産が引っ張りかねず、結局は日産がホンダのお荷物になる。
ホンダが日産を子会社化すれば、その子会社のリストラが容易になる。いろんな観点からの業績アップの政策も容易になる。しかしそれは日産の事実上の消滅を意味する。受け入れの決断は大変だろう。ゴーン氏のように、強権を発動できる人物がトップにいなければ、不可能に近い。
そもそも昨年12月に公表されたホンダと日産の経営統合案は不可解だった。通常はある程度煮詰まった状態のはずなのに、ここまでゴタゴタが続くのでは、公表された経営統合案とは結局のところ、「誰かが陰で描いた絵柄」だったような。その絵柄をアドバルーンとして上げたのかもしれない。
鍋に素材を放り込んだだけの状態で、「さあ料理ができる」と宣言したとも言える。どんな料理になるのかは誰にも分からなかった。闇鍋か。
日産を救済しようと、大きな力が動いていると思えて仕方ない。でも大きな力が動いたところで、より大きな流れ、今回の場合は自動車業界の流れを食い止めることはできない。変な力を加えると事態がますます悪化する事態だってある。シャープも東芝もそうだった。
日産がどうなるのか。ホンダだって決して強くない。加えてトランプ関税の嵐が吹くかもしれず、その如何ではアメリカの自動車業界が大きく揺れる。そんな中、先の見えない経営統合を、ほぼゼロから議論する余裕なんてないと思えて仕方ない。

追記:日産が経営統合の基本合意書を撤回したと報じられた。メンツを重んじた経営が果たしてどうなるのか。イバラの道だと思えてしまう。

2025/02/05


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