川北英隆のブログ

シギリヤに登る

スリランカでの最初の山歩きはシギリヤだった。島の真ん中より少し北にある。気候的には夏に乾季的なものがあるようだ。そんなシギリヤには西暦400年の後期に王朝があった。クーデターによって王様になった者が築いた要塞の王宮である。
先にアップした写真のように四囲が絶壁になった岩がある。シギリヤロックである。その岩の上が王宮になっていた。もちろん、岩の下には平時の宮殿が広がっており、いざという場合に岩の上に逃げ込める工夫のようだ。
その岩を中心とする宮殿が世界遺産になろうとは、クーデター王の望外の成果だろう。このシギリヤの岩が有名なのは宮殿だけでなく、その岸壁に描かれたフレスコ画にもよる。シギリヤレディと呼ばれている。宮殿といいフレスコ画といい、5世紀のものとは思えない。
シギリヤの宮殿を歩くに現地ガイドの推奨は、まず博物館でシギリヤレディの複製を見るのがいいと。シギリヤレディは写真撮影が禁止され、かつ見学者が多くて混雑するためである。
それに従い、博物館でシギリヤレディの複製品を撮った後、堀を渡って宮殿中に入った。発掘され、復元された遺跡群がある。宮殿の奥にシギリヤロックがある。
岩へは最初は石段を登る。上部にテラスがあり、そこには岩を彫って形取った大きなライオンの前足の爪の部分が残っている。それ以外はライオンの形が見当たらないので、後世に壊されたのだろう。
壊された箇所は大きな断崖になっている。標高差は100m近くあろうか。今はそこに鉄製の急な階段が付けられている。岩の上の宮殿とテラスの間を結ぶのは、行き帰りともこの階段のみである。手摺があるのでほぼ危険がない(ただし鉄が所々錆びて腐っている)とはいえ、下が見えるから少しスリルがある。しかも混雑する。
岩の上部には宮殿跡が続いている。比較的大きな池(水場)もある。多分、岩を平らに削り、住めるようにしたのだろう。展望は抜群である。平時の宮殿が眼下に広がり、その向こうは見渡す限りの密林である。
岩の上の宮殿を散策した後、ライオンの爪のテラスに下り、右手(東)に回ってシギリヤレディを見学した。ループ状になった鉄製の階段を上がり、フレスコ画を見た後、階段を下りる。やはり混雑していた。
フレスコ画の後は石の階段を下り、宮殿の橋を通って駐車場に戻った。博物館に入ってから約3時間かかった。なおシギリヤの岩の上部の標高は370mとされるが、グーグルアースの標高は誤っているようだ。というのも、ライオンの爪のテラスの方が山頂部よりも高く表示される。
最初の写真は博物館のシギリヤレディである。現在は18の像が残る。次はライオンの爪である。左の階段から岩の上に登る。3つ目は階段の登りである。上部が混雑している。下は岩の上からの展望である。
20250214シギリヤレディ.jpg

20250214ライオンの爪.jpg

20250214シギリヤロックへの階段.jpg

20250214シギリヤロックからの展望.jpg

2025/02/15


トップへ戻る