ホートンプレインズ(Horton Plains)国立公園はスリランカの屋根であり、島の南に位置している。標高で言えば2000mを超え、動植物も多様で、世界自然遺産でもある。
前日、麓に近い町、ヌワラエリアに宿泊し、夜明け前にホートンプレインズを目指して出発した。
惜しいのは、ヌワラエリアのすぐ北にスリランカの最高峰、ピドゥルタラガラ山(2524m)が見えているにもかかわらず訪れなかったことだ。ヌワラエリア自体が1800mの高地にあるため、標高差700m程度、京都から見た比叡山よりも低い。この最高峰は軍事用の無線基地となっているそうで、許可がないと立ち入れないそうだが。
さて、ホートンプレインズへは急ながらも舗装道路が通じている。「プレインズ」と名付けられるように、坂道を上がると平原が広がる。標高2100m少しあり、木がまばらになる。シカ(サンバーと呼ばれる種類らしく、奈良公園などにいる日本のシカよりも大型)が見られた。アダムスピークも遠くに見えた。
管理棟の手前に駐車場があり、そこからワールズエンドと呼ばれる崖の上部を目指すハイキングが始まった。ホートンプレインズの地形は、大きな地形図が手元にないので推測するに、平原の南東側が崖になって切れ落ちている。ワールズエンドは崖下との標高差が900m近くある。
平原の上は草地が多く、少し下がると雲霧林が広がっている。その草地にはシャクナゲが多い。5月頃に満開になるそうだが、訪問した時には早咲きのシャクナゲが真紅の花を付けていた。平原部はスリランカの大きな川の水源でもあり、流れの横を歩くこともある。滝(ベイカーズ滝)もあった。
ハイキングはそれらを巡るもので、あまり高低差のない歩きが続く。約4時間程度ぶらぶらと反時計回りに歩き、ベイカーズ滝、ワールズエンド、小ワールズエンドを訪れた。とくに大きな感動を呼ぶシーンに乏しかったが。
ホートンプレインズの大きな特色は、入域するに際し、ゴミとして捨てられるようなプラスチックの持ち込み禁止にある。管理棟の先にゲートがあり、荷物検査が行われる。ポリ袋はもちろんのこと、日本では菓子類を小分けしている袋もダメである。だから飴や煎餅類を歩きながら食べたい場合、小分け袋から出して紙袋に入れ直す。「進んでる」と思った。日本でのさばっている無駄で上げ底的小分け袋なんて廃止すべきだろう。
写真、上はベイカーズ滝、中はワールズエンド、下は歩道から見た管理棟とゲート方面である。
2025/02/16