ネットニュースを見ていると、ミャンマーのミャワディがまたまた登場した。2024/04/13のブログに書いた町である。
ミャワディはタイとの国境に接している。タイ側はメーソートという町である。メーソートから川を渡るとミャワディだった。2015年、陸路からの旅行で通過した。
TBSニュースによると、そのミャワディに特殊詐欺集団の拠点があり、そこへミャンマーの少数民族武装勢力が突入し、詐欺拠点に監禁されていた多くの外国人を解放したという。
ミャンマーの政治は混乱している。大雑把に言うと、ヤンゴンなどの中心部は従前と同様にビルマ族がミャンマー政府として統治しているものの、周辺部の多くでは他民族が反政府活動を活発化させている。
統治が混乱しているから、賄賂などを使うと簡単に何でもできるのだろう。だから特殊詐欺集団も活動しやすいと考えられる。活動に必要な物資も簡単に隣国から持ち込める。
ミャワディの場合、隣国はタイという先進国である。しかも首都バンコクから車で簡単にアクセスできる。地図でミャンマーの国境を見渡すと、犯罪組織にとってミャワディが最も適しているようだ。他のタイとの国境と比較してバンコクに近く、両国間の道路が発達し、通信などのインフラも整っている。バンコクやヤンゴンなどの人口密集地にも近から、人を集めるのも比較的簡単である。
ミャンマーは中国、インド、バングラデシュの3国とも国境を接している。しかし3国にとって、いずれの国境も辺境である。
よくわからないのは、そういう犯罪組織に知らずに加担する人種がたくさんいることだ。「うまい話」が簡単に転がっているはずもない。「フリーランチやタダ飯はない」と知っていれば、ネット上の誘いに引っかからないはず。どうして簡単に騙されるのか、そんな緩い心理的にどうやればなれるのかは理解できない。もちろん、町で襲われ、詐欺集団に売られた者もいるのだろうが、ニュースを見る限りその数は限定的だろう。
もう1点わからないのは、少数民族武装勢力が特殊詐欺集団の拠点に突入した背景である。武装勢力が詐欺集団の存在をようやく知ったわけではないだろう。そんなボンヤリでは生きていけない。とすれば、武装勢力として詐欺集団を無用もしくは足手まといと判断したのか。どの世界にいようが、世の中はなかなか厳しい。
2025/02/23