川北英隆のブログ

事実誤認の訂正

「金融・資本市場リサーチ」(イノベーション・インテリジェンス研究所)という雑誌がある。その2025年3月号「自著を語る」のコーナーに『個別株の教科書』について書いた。5000字程度と言われた。このたっぷりとした字数に落とし穴があった。
自著を紹介するだけなら2000字程度あれば十分だろう。5000字と言われれば、『個別株の教科書』の背景や裏話にも言及しなければならない。
そこで、2年ほど前から注目を浴びている株価純資産倍率(PBR)にも言及した。20年ほど前からPBRが重要だと考えていたからである。個別企業についてPBRの水準を知るには、各社の期末の純資産(株主資本)の額と発行済株式数を知らなければ計算できないのだが、20年ほど前には、株式分割があるかないかなど、いろいろと難しかった。
そこで当時のある研究会の席で「1株あたり純資産額」を有価証券報告書などで公表してほしいと要望した。結果は、その要望が実現しなかった。その「恨み」が残り、つい筆が滑ったというか、「1株当たり純資産やPBRの公表がない」と書いてしまった。
その後、ふとしたことで今の有価証券報告書に「1株当たり純資産」の公表があることに気づいた。PBRの公表はないのだが、株価純資産倍率(PER)が公表されているから簡単に期末株価が判明し、PBRを求められる。
この公表がいつから始まったのかは確認できていない。とはいえ、現時点において公表されているのも事実だから、「自著を語る」での記述が間違いなのは確かである。ここにお詫びして訂正しておきたい。

2025/02/25


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