川北英隆のブログ

果物は宝石ではない

海外旅行して、いつも「羨ましい」と思うことがある。それは果物や野菜が豊富で美味いことである。とくに海外のスーパーなどに立ち寄ると、野菜や果物が無造作に並び、積まれている。日本で見られなくなった光景である。
2月に旅行したスリランカもそうだった。果物が多い。バナナが圧倒的に多いのだが、その他もいろいろとある。料理はホテルのバイキングが主、野菜を豊富に食べられる。
思い出すのはニンジンである。細くて小さいのだが、日本のものと比べて圧倒的に美味かった。甘みがありつつ、ニンジンの香りが口の中いっぱいに広がった。
最近の日本の野菜は「甘い」に重点が置かれ、しかも野菜独特の香りを「臭い」と表現し、それをなるべく消そうとしているようだ。それでは美味くない。
果物はなお一層「甘い」に重点が置かれ、珍重される。大きさにもこだわりがある。その結果、どうなったのか。宝石並の値段になった。
マンゴーは本当に宝物のように育てられている。このため贈答品としてしか買えないのではないか。もしくは熱帯地方を旅行したついでに、「一生分や」と思うほど食べないといけない。街路や庭にはマンゴーが普通に実っている。
イチゴも高くなった。最近、従姉妹からもらったイチゴは個包装してあった。確かに美味いのだが、自分用に買うには躊躇する値段だろう。
マンゴーが高いのは輸入規制しているからだ。本当に規制が必要なのかどうか、農水省さんにきちんと説明してもらわないといけない。もっとも、マンコーはウルシ科の植物だから、食べ過ぎると唇がかぶれる。昔々、5個だったか10個だったか忘れたが、メキシコ産(?)のペリカンマンゴーをもらったことがあり、毎日食べて唇が変になった。
イチゴはクリスマスなどの冬に食べようとするからいけない。本来の旬、春であれば安く食べられるのではないか。海外のイチゴはその手のものだろう。しかも選別していないから大小入り混じっている。「それでいいのだ」と思っているが、それでは農家に意欲が出ないのか。
果物を宝石扱いして食べるよりも、おやつのようにパクパク食べるほうが結果として美味いと僕は思っている。そんなパクパク時代を子供の頃に体験した。その世界を再現するには、自分で小さな農場を持ち、栽培するしかないのかもしれない。
でも食べ過ぎると糖尿病になるか。それを政府が懸念し、果物を宝石にする政策を推進しているのかもしれない。
写真はスリランカの果物屋である。バナナとイチゴが吊るされている。
20250316スリランカの果物.jpg

2025/03/16


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