約2ヶ月ぶりに日本の山に入った。スギ花粉が飛んでいることと、運動不足が少し心配だったため、近場を選んだ。実のところ近場に残された山はほとんどないのだが、ふと行き忘れていた山というか丘を思い出した。草津周辺にあった。
どこに出かけたのか。草津から草津線に乗り換え、2つ目の駅、石部で降りた。駅の北を流れる野洲川を渡り、菩提寺山(353.2m)に上がった。これが忘れていた山である。新幹線で野洲川を渡る時、ちらっと見える。
菩提寺山だけではあっという間に終わる。そこで地図で調べたところ、草津へと戻りつつ、日向山(にっこうやま、222.9m)、安養寺山(234.0m)に立ち寄れることを見つけた。これなら軽く1日のコースとなる。しかも付近は旧東海道沿いにある。歴史探訪を楽しめるかもしれないと思った。
実際はどうだったのか。菩提寺山には歴史が一杯だった。奈良(平城)時代からの寺と神社がある。日向山周辺には東海道の本陣もあり、近代の歴史色が濃く残っていた。安養寺山も同じである。さすが関西だろう。
3つの山は里山だけあっていろいろと登り道があり、メインのルートはしっかりと付けられている。ハイキングにもってこいである。しかも害人、違う外人一匹、これも違う、ネズミ一匹ではないけれど、外人一人にも出会わなかった。なかなか楽しい。
ただし一点だけ、ハイキングをするのに注意が必要である。石部から菩提寺山へ入った後、石部側に戻る時のルートである。というのも往復とも野洲川を渡る必要がある。その橋が限定されている。
今回、菩提寺山から下り、次の日向山に向かうのに近道を探したのだが、結局は野洲川に橋がなく、行きと同じ橋まで戻った。1時間近くのロスだった。車中心にできた日本のインフラ、恐るべし。
写真、上は菩提寺山の登山口にある廃少菩提寺石多宝塔である。平城京の時代から安土桃山の時代にかけ、少菩提寺が興福寺の別院として山の麓に多くの伽藍を並べていたらしい。今は石造りの多宝塔と仏像のみが残っている。下は菩提寺山の頂上手前から見た三上山(近江富士)である。当日、ずっとお供してくれた。
2025/03/27