僕だけではないはずながら、大学の事務に唖然とすることが多い。2002年から大学の事務の洗礼を受け続けているから、最近では何も思わなくなっていたのだが、この数ヶ月は別だった。何と卓越していることか。
最初の事例はここ数ヶ月のことではない。大学事務の本質を書いておく。
何年も前、僕のゼミ生が事務(教務係)の窓口で口論していた。近寄らないに限ると思ってそのままにしておいた。数日後、用事があって教務係に行くと、その学生の話題になり、「どこの大学院に進学するのか」と質問された。「第一志望がこの大学なのか、別の大学かははっきりと聞いていない」と返事をすると、「別の大学に進学するように指導してくれ」と懇願された。
正論を述べる学生だったので、進学の書類に関して事務と喧嘩をしたのだろう。他の学生に聞いても、事務の対応が悪すぎるとの評価しかない。なお、ここで取り上げた学生の結果だけ書いておくと、学生は他大学の院に進学した。それを受け、事務から感謝された。大学としては優秀な学生を失ったと思うのだが。
さて先日、研究室の引越をした。2年前は4月に入って引越したこともあり、のんびり構えていたところ、3/31までに引っ越してほしいという。「ええっ、引越業者が払底している時に」と思ったのだが、何とか知り合いの知り合いが引き受けてくれた。
大学の本部キャンパスと少し離れた大学の建物との間を、その間接的知人の軽トラで行き来した。本部キャンパスに入る時、入口のガードマンに「入構許可書とか身分証とかを見せろ」と言われるのかなと思ったのたが、何も見せずに入れた。それに油断して、何回目かの荷物の時、引越し先で軽トラを待っていたところ、なかなか来ない。ようやく来たので聞くと、入構許可書を見せろと言われたとか。最初のガードマンと別人だったらしい。属人的に対応するなんて、規則がないか、規則を無視する素晴らしい組織である。
引越が終わり、部屋の管理者が確認に来た。「壁にネジ穴があいている、塞いでおいてほしい」と言う。今日、その穴を塞ぎ、その後で借りていた鍵を返そうとした。
でも、鍵を返しにどの建物に行けばいいのか、正確に聞いていなかった。調べればすぐに分かると思っていたから。ネットで部屋の管理部局(大学では部局と呼び習わしている)の所在地を調べたところ、それらしき案内サイトがない。外部から簡単に分からないようにしているのか。
仕方ないので教職員専用のサイトに入り、電話番号を調べたところ、聞いていた課の名前がない。そこで一番近そうな係に電話した。と、どこが担当なのかわからないという。「同じ部なのに、変なの」と思い、「調べて教えて」となった。何とか今日中に決着したのだが、そんな自分が所属している部の組織と仕事を把握していないなんて、ありえない。
何とかどの課のどの係が担当なのか判明したので、何かあった時のために電話番号を把握しておこうと、もう一度、サイトに入って検索した。すると、鍵を渡した係が電話番号簿に記載されていない。
摩訶不思議な幽霊のようなゾンビのような、そんな組織と案内サイトである。民間企業のように単純明快な組織では、卓越した研究は不可能なのだろう、多分。
2025/04/04